世界のIFRS適用事例 Case11 会計期間が1年間ではない企業

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1年間は52週間と1日(うるう年の場合は2日)です。企業は通常,1年間についての財務諸表を継続的に作成しますが,実務上の理由でそれ以外の期間(例えば52週間)について報告することを選択する欧州の企業もあり,IFRS上もそのような実務を妨げないと明記されています(IAS第1号「財務諸表の表示」第37項)。

今回は,そのような会計期間が「ぴったり1年間」ではない企業の事例を紹介します。このような変則的な決算期の企業は,英国の小売業によく見られる傾向がありますが,アイルランド,オランダの企業もあります(表1)。

期末日は3月末日や12月末日近辺が多いものの,月末が期末日とは必ずしも限りません。さらに興味深いのは,同じ企業でも年度によって会計期間が52週間になったり,53週間になったりすることがあり(例えば英国の百貨店マークス・アンド・スペンサーの2015年度の会計期間は2015年3月29日(日)から2016年4月2日(土)までの53週間),会計期間が開始,終了する曜日も企業によってまちまちです。

日本基準では年1回一定の日を連結決算日に

この程度の差はいわば「誤差の範囲」であり,業界特有の実務慣行等...