Q&Aコーナー 気になる論点(218) IASBの概念フレームワークの改正(7)
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
Q 国際会計基準審議会(IASB)が2018年3月29日に改正した「財務報告に関する概念フレームワーク」(2018年概念フレームワーク)では,会計単位(unit of account)に触れています。これは,どのように決定されるのでしょうか。 |
A
2018年概念フレームワークにおいて,会計単位は,資産・負債及び関連する収益・費用に,認識基準及び測定概念がどのように適用されるかを検討する際に,その資産・負債について選択されるとしています。ただし,その決定は,IFRSの開発において行われる認識と測定に関する決定とリンクしているため,概念フレームワークではなく,IFRSの開発においてなされるとしています。
<解説>
会計単位(1)‐その決定
2018年概念フレームワークの第4章「財務諸表の構成要素」において,会計単位は,認識基準や測定概念が適用される以下としています(4.48項)。
(1) 権利又は権利のグループ
(2) 義務又は義務のグループ
(3) 権利及び義務のグループ
2018年概念フレームワークでは,認識や測定の要求事項が適用される会計単位を選択することなく,特定の項目の認識基準や測定基礎を設定する...
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