関東信越国税局 垣水局長にインタビュー

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本誌はこのほど,7月27日に関東信越国税局の局長に就任した垣水純一(かきみず・じゅんいち)氏にインタビューを行った。

垣水氏は1984年に大蔵省に入省し,国税庁課税部個人課税課長,福岡国税局長,名古屋国税局長などを歴任した。

--就任にあたっての抱負を

垣水純一氏

関東信越国税局は関東6県を管轄しており,伝統もあるので重責を感じている。国税局長は3カ所目で,どこの国税局でも共通して言えることだが,申告納税制度が円滑に機能するように,適正かつ公平な課税・徴収を目指し,国民の皆さまの理解と信頼を得ることが基本。これは国税庁の使命でもある。

一般の善良な納税者には親切かつ丁寧に,悪質な納税者には厳正に対処し,法令に基づいて適切に事務を遂行する。また,国際化や情報化(ICT化・AI化)の中で,それに追いつくだけではなく,先取りするような構えで事に当たることが重要だと考えている。

--関東信越国税局の重要施策は

納税者サービスの利便性を高めるために,スマートフォンやQRコードの活用,申告会場に行かずとも申告ができる仕組みづくりなどに着手していく。また,各種法定調書などのデータを活用して,効率的な調査・徴収に結び付けることも少しずつ進めている。例えば,税務署間の一部内部事務を集中化する試行などをしている。

さらには,「国税職員に対する国民の皆さまからの信頼向上」ということで,公務外の非行はもちろんのこと,公務中の事務処理誤りなどについてもゼロにしなければならない。その点は厳しく対応するつもりだ。

--消費税率引き上げと軽減税率導入に向けた対応は

まさに今,周知広報をしているところだ。説明会も,各署でこれまで以上に開催していく。7月の段階では,対象となるであろう事業者の1割も説明会に参加していただけていないが,「自分は食料品や新聞に関係がない」と思われている食料品を販売していないような事業者であっても,仕入の方で8%の仕入控除の対象となるケースも多くある。例えば,会議の際のお弁当を買うなどもそうだ。その意味で,どの事業者にも関係あることを伝えていきたい。来年10月に円滑に実施されるよう,実施・執行機関として取り組む次第だ。

--趣味などは

10年以上生きている金魚を世話することと,外国文学を読むこと。中学生から大学生くらいの頃までは原書でレイ・ブラッドベリを読むなどしていた。今はカズオ・イシグロの"Th...