ハーフタイム IFRS15における収益(Revenue)と利得(Gains)

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改訂前の概念フレームワーク(FW)はこう謳っていた。「収益も利得も所得(Income)の二大構成要素である。収益は通常の企業活動から生まれる。利得は通常の企業活動からまたはそれ以外の活動から生まれる。利得は経済的便益の高まりであり,本質的に収益と異なるものではない」(2010年版概念FWのPara4・29~30)。他方,改訂概念FW(2018)では,所得を資産の増加(負債の減少)と定義するだけで,収益と利得には全く触れていない。だが,収益と利得の定義は改訂前と実質的には何ら変わっていないと思われる。なぜならば,IFRS15のAppendix Aで所得と収益を改訂前概念FWと同じように定義しており,IFRS9(Financial instruments)では,金融資産負債の測定に関する本文で盛んにGains/Lossesが使われているからである。

一方,IFRS15は「顧客との契約から生じる収益」に集中し,利得にはあまり触れていない。だが,買戻し条件付き販売では,金融デリバティブである先渡し契約,コール・オプション,プット・オプションが使われる(B66~70)。収益稼得過程にあっては,いま...