図解と事例で学ぶ!収益認識基準 第5回:いくら売上になる?(1)
公認会計士・税理士 内田正剛
第5章 いくら売上になる?(1)
今回から,ステップ3「取引価格を計算する」とステップ4「取引価格を義務へ割り振る」を解説していきますが,今回も連載第1回( No.3372 )で解説した「【図1】収益認識と5つのステップ」を眺めてから,第5回を読み進めて行きましょう。
【図1】収益認識と5つのステップ
(1)取引価格の意味
取引価格は,売主が製品・商品の引き渡しやサービスを提供する見返りに,買主から受け取ると見込んでいるお金のことをいいます。「売上代金」と言ったほうがイメージしやすいかもしれません。
収益認識のステップ3とステップ4で計算する「売上はいくら?」では,取引価格を使って計算します。「値段をそのまま使えばいいのでは?」と考えてしまいますが,実務では取引価格が「商品Aは〇〇円」というふうにシンプルにきまっているものもあれば,「条件を満たせば〇〇円」というような条件が付されたものもありますし,取引慣行も考えないといけません。そのため,取引価格を計算するときは,売主が買主と交わした契約だけでなく,取引慣行も検討対象に加えます(【図2】)。
【図2...
- 経営財務データベースで続きを読む
-
無料 2週間のお試しはこちら
すぐに使えるIDをメールでお送りします