図解と事例で学ぶ!収益認識基準 第12回(最終回):メインとサブ

 公認会計士・税理士 内田 正剛

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第12章 メインとサブ

1.収益認識と5つのステップの復習

最終回となる今回は,5つのステップにまたがった論点を解説していきます。いつものように今回も,連載第1回( No.3372 )で解説した「【図1】収益認識と5つのステップ」を眺めてから,第12回を読み進めて行きましょう。

【図1】収益認識と5つのステップ

2.基本的な考え方

(1)メインとサブとは?

①本人と代理人

売買取引で複数の当事者が取引に関わっている場合,買主へ商品・製品(以下「目的物」とします)やサービスを提供するのに主導的な役割を果たして,責任を負っているのは誰かを検討する必要があります。売上やコスト(売上原価)の金額が変わってくるためです。主導的な役割を負っている立場の当事者を会計基準では「本人」,サポート的な立場の当事者を「代理人」と呼んでいます。当連載ではイメージしやすさの観点から,「本人」のことを「メイン」,「代理人」のことを「サブ」と言い換えることにします。

②メインとは?

買主へ約束(※)を果たす際に,自社が主導的にその役割を果たす立場で義務(=別個の約束)を負っていると評価された場合は,「メイン」に該当します。メインの場合は...