収益認識基準対応と内部統制 第4回 ポジション・ペーパーの作成と更新

解説

太陽有限責任監査法人 公認会計士 高田 康行

( 22頁)

はじめに

会計処理方針の決定からその正しい適用まで,ポジション・ペーパーの作成目的を広げたとき,収益認識基準対応の『仏造って魂入れず』化を回避するヒントが筆者には見えた。

今回は,収益認識適用指針の [設例20][設例12-2] を題材とした本連載のこれまでの検討内容を,具体的なポジション・ペーパーの記載例としてまとめる。本稿によりポジション・ペーパーの作成,更新そして確定のステップを読者にイメージして頂きたい。また,今回から解説の視座を少し上げたいと思う。収益認識基準対応に軸足を置きつつ,それを契機としたCG及び「3つの防衛線」 の実効性確保へ,である。なお,本文中意見にわたる部分は筆者の私見である。

【連載予定】
第1回 収益認識基準対応の全体像
第2回 会計処理方針の決定
第3回 リスクの識別と内部統制の構築
第4回 ポジション・ペーパーの作成と更新
第5回 経理部門のモニタリング機能強化

【凡例】
CG:コーポレートガバナンス
内部統制実施基準:「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」

1. ポジション・ペーパーの作成と有効活用...