時事談論 vol.17「2019年3月期決算を終えて」

解説
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●決算スケジュールの良し悪し

3月決算会社の株主総会も終わり(無事かどうかは別として),投資家,経営者,監査人等の関係者は,既に次年度に向けた準備に取り掛かっているところであろう。

それにしても日本人はつくづく真面目かつ我慢強い国民であると感じる。特に上場会社の経理関係者は,第1四半期決算から始まり,第2四半期決算,第3四半期決算,内部統制監査(J-SOX),会社法決算,そして多くは株主総会終了後に有価証券報告書を提出して事業年度を締めくくるわけであるが,どれも期限のあることなので,先送りすることは許されないわけであるから,相当なプレッシャーのはずである。近年,海外事業会社に人を送り出すことで,本社の人員が不足しているという話をよく聞くが,働き方改革を最優先で進めるべき部署であることは間違いないのであろう。

一方,監査人は,経理関係者による決算作業と並行しながら監査をしているわけであろうが,監査期間中に発見した修正事項は,すぐに経理関係者に伝えられ,対外公表前に間に合えば,投資家としても安心して決算数値の分析ができるであろう。監査人と経理担当者の連携を期待したいところだが,現...