時事談論 vol.18「世界戦略ツールとしての会計基準」
解説
( 34頁)
●今から20年前のこと…
2011年10月の企業会計審議会の討議資料「国際会計基準(IFRS)に係る討議資料(1)」には,「1997年 アジア通貨危機(韓国等に対し会計・開示の強化が要請)」との記述がある。アジア通貨危機は,アメリカのヘッジファンド等が,ドルペッグ制を採用していたアジア通貨の各国実態経済との非対称性を狙って空売りを仕掛けたことがきっかけだ,という解説を読んだことがある。
そして,自国通貨の暴落により国としての債務不履行の危機に陥った各国に資金支援をしたのが国際通貨基金(IMF)だった。IMFの専務理事は欧州から選出されることが通例だが,最大の出資者はアメリカである。アメリカがきっかけを作り,アメリカの資金で支援をした。外観だけを見れば,そんな風だ。
●金も出すが,口も出す…
現職のアメリカ大統領は,色々な意味でわかりやすいところがある。安全保障のことについても,ペルシャ湾の海上警備にしても,「受益者負担」が基礎のように思う。
それほど「ひも付き関係」があからさまだったわけではないが,IMFはアジア各国への緊急融資を行う際に条件をつけた。そのなかには,国際的な会計基...
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