Q&Aコーナー 気になる論点(251)海上輸送契約とリース取引
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
Q 2019年9月開催のIFRS解釈指針委員会では,海上輸送契約がリースを含んでいるかどうかを議論しています。これは,IFRS第16号「リース」において設例でも示されているにも関わらず,なぜ問題となるのでしょうか。 |
A
それは,設例と異なり,船主と顧客との間で合意された複数の積荷港とする航海傭船契約であるためです。IFRS解釈指針委員会では,IFRS第16号の適用において,これまでリースを含まないと考えられてきた典型的な航海傭船契約のうち,当該契約はリースを含んでいるという案を示しています。
<解説>
リースの定義と識別
IFRS第16号において,リースとは,対価と交換に,一定期間にわたり資産(原資産)を使用する権利を移転する契約又は契約の一部分としています。また,契約が,対価と交換に,一定期間にわたり,特定された資産(identified asset)の使用を支配する権利を移転する場合,当該契約はリースであるか又はリースを含んでいるとしています(9項)。
まず,特定の資産は,通常は契約に明記され(B13...
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