200社・時価総額4割時代を迎えたIFRS基準

解説

IFRS財団アジア・オセアニアオフィス ディレクター 高橋 真人

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年頭にあたり謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

日頃より当オフィス並びにIFRS財団,国際会計基準審議会(IASB)の活動にご理解とご支援を賜り,誠にありがとうございます。IASBのハンス・フーガーホースト議長の新年のメッセージは 本誌2020年1月13日号 に掲載の通りです。本号では,日本におけるIFRS任意適用の状況とアジア・オセアニア(AO)オフィスの役割を中心に所感を述べたいと思います。記載する意見は筆者の個人的なものであることをおことわりしておきます。

1. グローバルな会計基準

日本におけるIFRSの任意適用は,2010年3月期から開始され,10年が経過しました。図表1のとおり,2019年6月末現在,IFRSを適用している上場企業は215社(適用予定企業を含む。以下同じ)で,全上場企業の時価総額に対するIFRS適用・適用予定企業の時価総額の割合は,35.6%となりました。2018年末のIFRS適用企業数は199社でしたので,昨年ついに200社を突破したことになります。10年で200社というペースが速いか遅...