KAMは「全員参加型の財務報告サイクル」

解説
日本電気株式会社 監査役 川島 勇
関係者が一丸となった取り組みを
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<編集部より>

2020年3月期から早期適用,2021年3月期から原則適用となる「監査上の主要な検討事項」(KAM)。監査役と協議した事項から選定されるなど,KAMにおいて監査役が果たす役割も大きい。そこで本誌は,KAMへの対応状況などについて監査役へのインタビューを実施。

第4回は日本電気株式会社監査役の川島勇氏に話をきいた。

1.KAMの受け止め

――2019年1月に実施した座談会「KAMをより意義あるものとするためには何が必要か」 からおよそ1年が経過しました。この1年で,KAMに対する認識などに何か変化はありましたか。

1年前と比べて特段大きな変化があったわけではありません。ただ,KAMの適用開始が近づき,KAMというものがますます現実的になってきている状況の中で,改めて「KAMの意義」というものを考えています。

座談会でもお話ししましたが,KAMを導入する意義は,「企業が持続的に価値を創造することに資する」という点にあります。俯瞰的に見れば,企業が持続的に価値を創造するためにはコーポレートガバナンスがしっかり...