2021年3月期IFRS決算Q&A 第3回 IFRS第16号「リース」に関する基準修正,金利指標改革等
有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 山本 耕三
有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 伊藤 修司
有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 小口 敬
Ⅰ.はじめに
本稿では,「Covid-19に関連した賃料減免」(IFRS第16号の修正),金利指標改革に伴う金融商品に関する基準の修正およびステークホルダーの関心が高い「COVID-19」と「気候関連事項」について金融商品に関する事項を紹介します。また,文中の意見にわたる部分は,筆者の私見であり,筆者の所属する法人の見解ではないことをあらかじめお断りします。
Ⅱ.COVID-19のパンデミックがリース契約に与える影響
COVID-19のパンデミックの対策として,政府による緊急事態宣言やロックダウンが行われ,その影響により,企業によっては,店舗の一時休業や時短営業を余儀なくされ,それが顧客の減少につながっています。このことは,店舗を経営している企業の資金繰りを急速に悪化させ,企業によっては,倒産の危機に見舞われています。そして,この状況を回避するため,一部の借手は,貸手との間での賃料減免に係る交渉や当初の契約上の権利により,賃料減免を受けています。なお,この記事は,基本的に借手に焦点をあてたものであるため,貸手の詳細は割愛します。
Q1 賃料減免が行われる場合における,IFRS第16号の基本的な...
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