JICPA 非財務情報の充実 「結合性」強化が肝に

AI活用見据えたヒントなど示す
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日本公認会計士協会(JICPA,手塚正彦会長)は4月30日,会計制度委員会研究資料第6号「非財務情報の充実と情報の結合性に関する実務を踏まえた考察」を公表した。開示府令改正などにより,有価証券報告書における非財務情報の開示が注目される昨今。肝となるのが非財務情報と財務情報などの「結合性」だ。同資料はその結合性にフォーカスし,AI活用などを踏まえ,理解しやすく信頼性の高い開示が重要になるとした。

価値創造の全体像示すために

日本では2019年1月の開示府令改正により非財務情報の内容の拡充が行われるなど,開示充実への動きが進む。

特に,非財務情報は財務情報を補完するものであり,一体的に開示して企業による価値創造の全体像について報告する流れが顕著だと,同資料では述べている。非財務情報と財務情報,非財務情報相互間における開示内容が「有機的に結合し,経営者の認識に基づいた一貫した企業報告に対するニーズが高まっている」とし,結合性にフォーカスした考察を行っている。

なぜ結合性が求められるのか。考察では「企業の価値創造ストーリーの伝達」「財務情報コンテクストの提供」「KPIによる多角的実績の提示」を挙げる。...