ミニファイル データ分析における異常値

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近年,監査手法に関連して「データ分析」や「分析手続」という言葉を聞くことが多くなった。概ねの定義は,「被監査会社に関する財務・非財務データを大量に集め,ツールを用いて分析し,不正の兆候の有無などを判断する」といったものになるだろう。このデータ分析で問われることの一つに,「異常値」の扱いがある。母集団から著しく乖離した数値を含めてしまうと正しい分析ができないため,こうした異常値は除外する必要がある。ただ,何をもって異常値とするか,その判断が難しい面もある。

この点,英FRCが8月27日にガイダンスを公表した。ガイダンスでは分析に使う自動ツールや技術をADA(Audit Data Analytics...