売上高の表示科目と分解情報の記載パターン

収益認識基準適用の1Q報告書を調査
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収益認識会計基準の適用を受けて,売上高の表示科目や収益の分解情報がどう開示されているのか。2022年3月期第1四半期報告書の記載内容を調査した。

売上高の表示科目

3月期決算会社においては,2022年3月期第1四半期報告書より「 収益認識に関する会計基準 」(収益認識基準)の原則適用が始まっている。同基準では,「顧客との契約から生じる収益を,適切な科目をもって損益計算書に表示する」( 78-2項 )と定められているものの,具体的な表示科目は定められていない。また,「 財務諸表等の用語,様式及び作成方法に関する規則 」においても,売上高の表示方法については,「売上高を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない」( 72条 )と定めるのみで,具体的な表示科目を定めるものはない。

収益認識基準の導入時における審議の過程では,表示科目の統一に関する検討も進められたが,導入以前より,企業や事業の実態に応じた適切な表示科目が用いられていることから,表示科目の統一を定めていない。「収益認識に関する会計基準の適用指針」においても,売上高や売上収益,営業収益等を例として列挙するのみに留めている(104-2項)。表示科...