COP26におけるIFRS財団の公表について
IFRS財団アジア・オセアニアオフィス ディレクター 高橋真人
1.はじめに
2021年11月3日,IFRS財団のエルッキ・リーカネン評議員会議長は,英国グラスゴーで開催されたCOP26で講演し ① ,IFRS財団が国際サステナビリティ基準審議会(ISSB) ② を設置し,包括的でグローバルなベースラインとなる高品質なサステナビリティ開示基準を設定すると発表した。
2.これまでの経緯
・ デマンド・ドリブン
IFRS財団評議員会(評議員会)は,サステナビリティ協議 ③ を通じて,1組のグローバルなサステナビリティ開示基準に対する緊急の需要と,その基準の設定にIFRS財団が役割を果たすことへの広範な支持があることを確認し,ISSBの設置に向けた本格的な検討に入った。
・ 投資判断のための基準
評議員会は,議論の結果,ISSBが取り扱うサステナビリティ報告の範囲を投資家およびその他の資本提供者が企業価値を評価し,投資判断を行うために必要な事項に限定した。したがい,その範囲は,CDP,GRI ④ より狭く,CDSB ⑤ ,TCFD ⑥ ,VRF ⑦ と共通する。
・ グローバル・ベースライン
評議員会は,ISSBのサステナビリティ開示基準を「グローバル・ベースライン」として開発することとした。これ...
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