Q&Aコーナー 気になる論点(319) アジェンダ協議へのフィードバック(2)
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
Q 国際会計基準審議会(IASB)が2022年7月29日に公表した「第3次アジェンダ協議 フィードバック・ステートメント」(フィードバック・ステートメント)では、どのようなプロジェクト(PJ)を新たに追加するとしているのでしょうか。 |
A
フィードバック・ステートメントでは、研究PJパイプラインに、「無形資産」「キャッシュフロー(CF)計算書」の2つを含め、維持管理PJパイプラインに、「財務諸表の気候関連リスク」を新たに追加するとしています。
〈解説〉
背景
IFRS財団のデュー・プロセス・ハンドブックでは、IASBが、5年ごとにアジェンダ協議、すなわち、その活動と作業計画について公開協議をすることとしています。2022年7月公表のフィードバック・ステートメントにおいて、第3次アジェンダ協議の目的は、以下に関する意見を収集することとしています(3頁)。
(1) IASBの活動の戦略的方向性とバランス
(2) 作業計画に追加される可能性のある財務報告の問題の優先度を評価するための規準(潜在的なPJの優先度を評価するための規準)
(3) 作業計画で優先順位を与えることが考えられる新たな財務報告の問題(潜在的...
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