図解で整理!税効果会計の基礎と考え方 第3回 繰越欠損金の税効果で繰延税金資産が発生するのはなぜ?

 公認会計士 内田 正剛

はじめに

「繰越欠損金は当期の損益ではないのに繰延税金資産が発生するのはなぜ?」税効果会計の話で法人税上の赤字の話が出てくるって不思議ですよね。繰越欠損金は将来の儲け(=所得)と相殺できるため、税効果会計の対象になっています。一方で、使用限度額の50%ルールや繰越期限など、他の減算差異とは違った特徴もあるので、税効果会計でも特に注意が必要なトピックです。そこで当連載の第3回は、繰越欠損金の税効果で繰延税金資産が発生する場合や計算方法を、仕訳や回収可能性の関係とともに図解でわかりやすく解説します。また、税効果会計の決算書分析をする上で欠かせない税効果会計の注記のうち、繰越欠損金に関係するルールも解説します。なお、繰越欠損金の正式名称は「税務上の繰越欠損金」ですが、当解説ではこれまでと同様に「繰越欠損金」「欠損金」とよぶことにします。

また、週刊経営財務の誌面版では「事例でわかる 実務で使える 税効果会計」と題して、注記事例の分析や実務で使える情報をメインに解説しています。こちらも併せてお読みください。

〈掲載予定〉

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