新・経理実務最前線!Q&A 監査の現場から 第3回 リストリクテッド・ストック、パフォーマンス・シェア等、株式報酬の会計処理
EY新日本有限責任監査法人 公認会計士 鈴木 真策
従来、我が国企業においては中長期の業績連動報酬を導入している企業が少なく、業績向上のインセンティブが十分に機能していないとの指摘がなされていましたが、近年では株式報酬や中長期の業績連動報酬を導入する企業も増えてきており、経営陣に株主目線での経営を促したり、中長期の業績向上のインセンティブを与えたりする効果をもたらすことを可能にしています。本稿では、近年導入企業も増えてきている株式報酬の会計処理について解説していきます。 なお、文中意見に係る部分は筆者の私見であることをあらかじめ申し添えます。 |
Q1
株式報酬に係る会計基準等の開発状況を教えてください。
A1
役員等に対するインセンティブ報酬については、実務対応報告第41号「 取締役の報酬等として株式を無償交付する取引に関する取扱い 」(以下「実務対応報告第41号」という。)が公表されています。しかし、株式報酬には依然として、会計基準等において会計処理の定めがない取引もあり、株式報酬取引全般を定めた会計基準の開発が提案されています。
1.改正会社法に基づく株式の無償交付と会計基準の問題点
従前の会社法においては、無償で株式を発行することや労務出資が認められ...
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