消費税「インボイス制度」に係る実務上の疑問点Q&A 第8回 自動販売機・自動サービス機特例

 公認会計士・税理士 太田 達也

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令和5年10月1日から、消費税のインボイス制度の適用が開始されます。インボイス制度は新しい制度であり、従来の実務にない新たな対応が多く求められることになります。

本連載では、インボイス制度について、実務上問題の生じやすいテーマを取り上げていきたいと思います。第8回は、自動販売機・自動サービス機特例に係る対応について取り上げます。

Q

当社では、金融機関のATMを利用して振込を行ったり、自動販売機で商品を購入するケースがあります。インボイス制度導入後は、一律3万円未満のものについて請求書等の保存を不要とする取扱いが廃止される一方で、自動販売機・自動サービス機特例の対象になる取引については、請求書等の保存を要せず、帳簿のみの保存により仕入税額控除が認められると聞いています。具体的にどのような対応を行ったらよいのでしょうか。

A

1.帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる取引(9つの取引)

インボイス制度下では、一律3万円特例は廃止され、「支払対価の額の合計額が少額である場合」に代えて「請求書等の交付を受けることが困難である場合」に帳簿のみの保存により仕入税額控除が可能とされます。具体的には、次の①か...