JICPA よりリスクに着目したグループ監査を志向

監基報600改正の公開草案を公表
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日本公認会計士協会(JICPA、茂木哲也会長)は10月18日、監査基準報告書(監基報)600「グループ監査」改正の公開草案を公表した。「重要な構成単位」の概念を廃止し、グループ監査の範囲を監査人が決定するよう求めることで、これまで以上に「リスクに基づくアプローチ」を強調する狙いだ。11月25日までコメントを募集する。

国際監査基準対応のための改正

今回の改正は、国際監査・保証基準審議会(IAASB)の改訂国際監査基準(ISA)600「特別な考慮事項―グループ財務諸表の監査(構成単位の監査人の作業を含む)」(4月7日公表)に対応するためのもの。「グループ監査」とは「グループ財務諸表の監査」を指すが、公開草案において「グループ財務諸表」は以下のように定義されている。

複数の企業または事業単位の財務情報を含む、以下の連結プロセスを通じて作成された財務諸表をいう。

①連結または持分法による会計処理

②親会社を有しないが共通の支配下にあるまたは共通の経営者の下にある企業または事業単位の財務情報に係る結合財務諸表の表示

③企業または事業単位(例えば、支店または部門)に関する財務情報の集計

この定義に従えば、「グ...