新・経理実務最前線!Q&A 監査の現場から 第5回 減損兆候判定時の本社費等配賦について

EY新日本有限責任監査法人 公認会計士 浦田 千賀子

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本連載では、監査の現場で検討されている、その時々のニュース・トピックスに関する論点、複数の会計基準にまたがる論点に対して、会計処理上の問題点や開示上の留意事項を多面的に捉え、Q&Aで分かり易く解説します。なお、本稿中の意見にわたる部分は筆者の個人的な見解であり、EY新日本有限責任監査法人の公式見解でないことを予め申し上げます。

「固定資産の減損に係る会計基準」(以下、減損基準とする)での減損の兆候の有無を判定する時における、本社費等の取扱いについて教えてください。

「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(以下、減損適用指針とする)第12項(1)において、「『営業活動から生ずる損益』は、営業上の取引に関連して生ずる損益であり、これには、当該資産又は資産グループの減価償却費や本社費等の間接的に生ずる費用が含まれ、また、損益計算書上は原価性を有しないものとして営業損益に含まれていない項目でも営業上の取引に関連して生じた損益(例えば、たな卸資産の評価損)であれば含まれる」と記載があり、減損の兆候の有無を判定する時において、本社費等を加味することとされています。本社費等の取扱いについては、減...