<INTERVIEW>中小監査事務所への期待④ 新創監査法人「積極的な情報開示でさらなる品質向上へ」

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新創監査法人 代表社員(品質管理責任者) 相川 高志
新創監査法人 統括代表社員 柳澤 義一

中小監査事務所の監査品質向上に向けた取組みを聞くインタビューシリーズ。今回は新創監査法人。「監査法人のガバナンス・コード」を単にコンプライするのではなく、コードに沿った形で体制整備を進めてきたという。品質管理責任者の相川高志代表社員に加えて、統括代表社員の柳澤義一氏にも、改正公認会計士法への対応や積極的な情報開示への考えなどを聞いた。

1.企業規模に応じて監査体制も変わる

――まずは公認会計士法等の改正について、どのように感じられたか教えてください。

柳澤  改正に係る政府令案も公表されましたが、ハードローとソフトローが表裏一体になっている印象はあります。例えば施行規則案第96条《組織的な運営》では「監査法人のガバナンス・コード」に沿った業務体制の整備を求めていますが、コード自体はソフトローです。直接的な適用を要求していない点から、日本公認会計士協会(JICPA)の自主規制に委ねるというニュアンスも感じました。

相川 今までも中小監査事務所については一定水準以上の品質管理の維持が求められていました。ただ、そ...