経理部 進化論 第2回 FP&Aの判断の軸となる原理原則は何か?

~FP&Aという選択肢

グロービス経営大学院  鷲巣 大輔

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近年、ファイナンス人材のキャリア候補としてFP&A(Financial Planning & Analysis)に注目が集まっています。従来の経理や財務の役割を大きく超え、より経営の意思決定を支える上で重要な役割を果たすFP&Aというポジションについて、様々な企業でCFO/FP&A責任者を歴任してきたグロービス経営大学院の鷲巣大輔が詳しく語ります。

第2回目は「FP&Aの判断の軸となる原理原則」についてです。

【前回の振返り】

前回のコラム(No.3583・14頁)で、FP&Aは「意思決定権者のビジネス・パートナー」であり、質の高い意思決定に貢献できるような、洞察力に満ちた分析や見解を提示することが使命だというお話をしました。特にFP&Aは、株主・債権者(資金提供者)と対峙するファイナンス部門の一員として、常にこのステークホルダーの期待値を念頭に置きながら、その意思決定は合理的に説明ができるのかどうかを考える必要があります。ガバナンスの観点でも重要な役割を果たすということです。決して「経営者の便利屋」になってはならず、時には正面から議論をぶつけながらも、企業が「良い方向」に向かっていくために...