新・経理実務最前線!Q&A 監査の現場から 第6回 工場閉鎖に伴う会計論点に関する考察
EY新日本有限責任監査法人 公認会計士 谷 和幸
日本国内の製造工場の閉鎖が相次いでいます。特に、重厚長大産業における国内製造拠点の閉鎖のニュースが新聞紙上を賑わせています。背景としては、新型コロナウイルス感染症拡大による半導体不足、ウクライナ危機や円安進行による原料費の負担増加のほか、カーボンニュートラルへの対応が考えられます。 カーボンニュートラルへの対応として、生産段階における脱炭素化が求められており、また、電気自動車の普及をはじめとする電気化による市場の変化の中で、1950~1970年代の高度経済成長期に建設した工場の老朽化によるメンテナンスコストの負担増加を背景に、日本企業はいま「選択と集中」が迫られていると考えられます。 こうした背景の中で、本稿では企業が工場を閉鎖することに伴う会計上の論点について考察を行います。 なお、文中意見に係る部分は筆者の私見であることをあらかじめ申し添えます。 |
Q
自社工場の閉鎖を決定しました。これに伴う会計上の論点について教えてください。
なお、工場は更地にした上で土地を売却する予定です。
A
工場の閉鎖に伴う会計上の論点は以下の通りです。
項目主な論点固定資産の減損グルーピングへの影響兆候のタイミング(適時性...
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