Q&Aコーナー 気になる論点(327) 法人税及び税効果の計上区分
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
Q 2022年10月28日に改正された企業会計基準適用指針第28号「 税効果会計に係る会計基準の適用指針 」(改正適用指針)では、親会社の持分変動による差額(持分変動差額)に係る連結財務諸表固有の一時差異について、「資本剰余金」を相手勘定として繰延税金資産・負債を計上していた場合で、子会社株式を売却し、当該一時差異が解消した際の繰延税金資産・負債の取崩しに対応する額は、これまでの「法人税等調整額」から「資本剰余金」を相手勘定とすることとしています。これは、税引前当期純利益と税金費用(法人税等及び税効果)を合理的に対応させるためでしょうか。 |
A
いいえ。従来から税引前当期純利益と税金費用は合理的に対応しています。すなわち、改正適用指針において、ご質問の繰延税金資産・負債の取崩しに対応する額は、「資本剰余金」を相手勘定とするとともに、新たに、持分変動差額に対応する法人税法等相当額は、「法人税、住民税及び事業税」として「資本剰余金」から控除することとしているため、この場合の税金費用は、以前と変わらないと考えられます。
〈解説〉
改正の背景と概要
2022年10月28日改正の企業会計基準第27号「法人税、住...
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