<INTERVIEW>サステナビリティ時代の会計教育と課題 一般財団法人 会計教育研修機構 理事長 手塚 正彦氏

( 08頁)
一般財団法人 会計教育研修機構 理事長 手塚 正彦

昨今、サステナビリティ情報の開示や持続可能な中長期的視点での経営が求められるなど、企業を取り巻く環境は大きく変わり続けている。

こうした環境変化を踏まえ、監査の対象領域や公認会計士に期待される役割も拡大している。一方、“本業”である上場企業の監査を巡っては、不正を見抜く力の向上などが課題としてあげられ、上場会社監査事務所登録制度が法定化されるなど、監査の信頼性に厳しい目も向けられている。

そこで本誌は、監査人である公認会計士が能力を発揮するための土台である「教育」に着目。実務補修・継続的専門研修(CPE)などを含めた教育の現状や、あるべき会計教育とはどういったものなのかを聞いた。

1.公認会計士を取り巻く環境

―公認会計士を取り巻く環境変化をどう捉えていますか。

まず、企業を取り巻く環境変化について正しく認識することが大切です。

バブル経済の崩壊を契機とした金融構造改革、長引くデフレ、経済の急速なグローバル化、IT技術革新などが、ビジネスや産業構造に大きな変化をもたらしました。インターネットやAIが、新たな可能性を拓き、既存のビジネスに大きな影響を...