令和5年3月期決算~Q&Aで分かる!会計&税務のポイントと対応策(下)

EY新日本有限責任監査法人 公認会計士・税理士 太田 達也

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Ⅳ 税効果会計(法定実効税率)関係

税効果会計における法定実効税率を計算するにあたり、最新の税率を確認し、適切に算定する必要があります。法定実効税率は、利益に関連する金額を課税標準とする税金(法人税、法人住民税法人税割および法人事業税所得割)のみを対象として計算されます。本項では、それらの最新の税率(各地方自治体の超過税率を含む)を確認した上で、具体的な計算例を示します。

なお、令和5年度税制改正に係る自民党税制調査会の審議において、防衛費予算の確保の観点から、法人税の増税に関する議論が行われましたが、結果的には令和6年(2024年)以降の適切な時期に実施とされ、具体的な決定は見送られました。令和5年3月期決算においては未成立のため、考慮する必要はないと考えられます。

Q

令和5年度税制改正関連法(所得税法等の一部を改正する法律)の法案が本年2月3日付で閣議決定され、国会に提出されました。税効果会計に影響を与える内容は含まれていますか。また、仮に含まれていた場合に、どのように対応すればよいのかについてもご教示ください。

A

所得税法等の一部を改正する法律案には、グローバル・ミニマム課税の創設が盛り...