令和5年3月期(移行初年度)の決算対応 グループ通算制度を適用する場合の通算親法人及び通算子法人の通算税効果額と税金仕訳
税理士法人トラスト 足立 好幸
はじめに
令和4年4月1日以後に開始する事業年度からグループ通算制度の適用がスタートしているが、これから、3月決算法人はグループ通算制度創設初年度の本決算(第4四半期)を迎えることになる。
実務対応報告第42号「 グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い 」では、グループ通算制度を適用する場合の会計処理に関する取扱いを定めているが、申告税額と通算税効果額に関する会計処理について仕訳例を示していないことから、グループ通算制度を適用している企業において通算親法人及び通算子法人の申告税額及び通算税効果額に関する理論上のあるべき会計仕訳について議論が生じている。
そこで今回、グループ通算制度に関する会計的な論点の一つである「通算親法人及び通算子法人の申告税額及び通算税効果額の会計仕訳」(以下「税金仕訳」という)について取り上げたい。
なお、本稿は、通算税効果額の授受を行うことを前提としており、通算税効果額の授受を行わない場合の会計処理及び開示については取り扱っていない。
また、本稿の意見に関する部分は、筆者の個人的な見解であることをあらかじめお断りする。
1.通算税効果額とは
『通算税効果...
- 経営財務データベースで続きを読む
-
無料 2週間のお試しはこちら
すぐに使えるIDをメールでお送りします