IFRSをめぐる動向 第150回 「のれんと減損」プロジェクトの最近の動向(2022年10月~2022年12月IASB会議での再審議)
PwCあらた有限責任監査法人 公認会計士 松田由貴
1.はじめに
本連載は、主に国際会計基準審議会(IASB)の月次会議等における討議内容に基づき、IFRSをめぐる最新の動向を伝えることを目的としています。今回は、2020年3月に公表されたディスカッション・ペーパー(DP)「企業結合-開示、のれん及び減損」に関する、2022年10月以降のIASBの再審議の状況について説明します。DPの公表経緯及び2022年9月までの再審議の状況については、本連載の第136回( No.3529 ・2021年11月1日号)、第143回( No.3560 ・2022年6月20日号)及び第146回( No.3576 ・2022年10月17日号)の解説をご参照ください。
なお、本稿の内容は今後のIASBの討議状況によって変更される可能性があり、文中の意見にわたる部分は筆者の私見であることをあらかじめお断りします。
2.再審議の主な論点と概要
IASBは、「のれんと減損」プロジェクト(以下、「本プロジェクト」)について2021年9月に以下の2点を優先して検討することを決定し、審議を進めてきました。
・ 企業結合に関する開示要求のパッケージについての暫定決定
・ のれんの事後の会計処理に関...
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