JICPA 「のれん」と「暗号資産」をテーマにセミナー開催

現行モデル維持の決定を踏まえて議論
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日本公認会計士協会(JICPA、茂木哲也会長)は2月28日、国際会計基準審議会(IASB)のメンバーなどを招き「IFRS会計基準を巡る最新動向」と題するセミナーを開催した。のれんの事後の会計処理について、IASBは、昨年11月に従前の決定を変更するために必要な説得力のある証拠を示せなかったとして、減損のみのアプローチを維持することを暫定決定している。今後IASBが取り組む活動の方向性等について、IASB議長のアンドレアス・バーコウ氏や、理事の鈴木理加氏らが登壇し、講演した。

日本からの意見発信により議論深化も

2つのパネル・ディスカッションに先立ち、バーコウ氏と鈴木氏が、IASBでのこれまでの議論や今後のプロジェクトの方向性等を説明した。

講演するアンドレアス・バーコウ議長

1つ目のパネル・ディスカッションでは、のれんの事後の会計処理に関して議論。登壇した日本製鉄の松本道彰氏、みずほ証券の熊谷五郎氏は、現行の減損のみのモデルを維持する決定について「残念だ」とコメント。両氏とも、のれんは時の経過とともに価値が減耗する減耗性の資産であるため、償却するべきだとのスタンスだ。この点、バーコウ氏はIAS...