経理部 進化論 第6回 本当に意味のある分析とは何か?

~FP&Aという選択肢

グロービス経営大学院  鷲巣 大輔

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近年、ファイナンス人材のキャリア候補としてFP&A(Financial Planning & Analysis)に注目が集まっています。従来の経理や財務の役割を大きく超え、より経営の意思決定を支える上で重要な役割を果たすFP&Aというポジションについて、様々な企業でCFO/FP&A責任者を歴任してきたグロービス経営大学院の鷲巣大輔が詳しく語ります。

第6回では、FP&Aの使命である「分析」に焦点を当ててみたいと思います。

良い分析とはどういうものか?

Financial Planning & Analysisというポジションの名前が示すように、FP&Aにとっては分析=Analysisが一つの使命となります。分析という言葉は、日頃から多くのところで目にし、頻繁に使われる言葉ではありますが、今回はその「分析」に焦点を当てて、「本当に意味のある分析とはどのようなものなのか」を考えていきたいと思います。

分析は報告にあらず。分析の目的は「こうしたらうまくいく、失敗する」という因果律(っぽいもの)を明らかにすることにあります。その上で、具体的なアクションプランが生まれたり、そのために資源の再配分が行われ...