経理財務部門のための非財務情報開示の基礎知識 第4回 非財務情報開示の今後
PwCあらた有限責任監査法人 サステナビリティ・アドバイザリー部 パートナー 田原 英俊
はじめに
本連載では4回にわたり、そもそも非財務情報とは何なのか、なぜ経理財務部門にとって非財務情報開示が重要なのか、ということについて解説している。第1回では非財務情報開示に関わる主要なプレイヤー(情報の発信者である企業、情報の利用者である投資家、何を開示すべきかを規定する基準策定機関、そしてそれらの基準に強制力をもたらす規制当局や証券取引所)がようやく資本市場に出そろったことを説明した。そして第2回と第3回では、非財務情報開示においてもその中核をなす主要な情報である自然資本(環境)と人的資本に焦点を当てて、具体的にどのような指標の開示が期待されているかについて主要な基準をベースに解説した。
このような環境下、企業の非財務情報は既に十分な開示がなされ、その開示が企業自らの意思決定や投資家の意思決定に十分に活用されているかというと、必ずしもそうとは言えない状況である。それでは、企業の非財務情報開示がさらに発展し、中長期的な企業経営の視点が投資家に適切に評価されることで、中長期的に健全な資本市場が発展、ひいては持続可能な社会が実現するためには、何が足りていないのであろうか。最終回となる本稿で...
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