<2023年3月期決算>記述情報の好開示のポイント(後編)
金融庁 企画市場局 企業開示課 課長補佐 鹿子木慎亮
企業会計専門官 清野 恭平
係長 澤村 泰行
前回( No.3602・20頁 )に続き、「記述情報の開示の好事例集2022」(以下、好事例集という)の内容を紹介しつつ、2023年3月期以降における記述情報の好開示のポイント等を紹介します。
3.好開示のポイント等
(2)既存項目に関する好開示のポイント等
①経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(以下、経営方針等という)
経営方針等では、経営環境や経営課題に対する経営者の認識を踏まえ、中長期的な企業価値向上の観点から、企業が事業目的をどのように実現していくかについての経営者の考え方を具体的に開示することが重要と考えられます。
また、KPIがある場合には、その内容を開示することが求められます。KPIの開示は、投資家が企業の経営方針・経営戦略等を理解する上で重要であり、これが開示されることにより、経営方針・経営戦略等の進捗状況や、実現可能性の評価等を行うことが可能となると考えられます。開示に当たり、KPIの項目名だけではなく、算出方法やなぜその指標を利用するのか、セグメント別のKPIがある場合には、その内容も含めて具体的に開示することが重要と考えられます。
この他、投資家・アナリストからは、経営方針等...
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