トピックスプラス 現状把握し、経営姿勢を「まず開示」

サステナ開示初年度 模索続く
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2023年3月期の有価証券報告書から義務化されたサステナビリティ情報の開示。業種や規模によっては、気候変動等にどう対応すべきか見えず、「開示のイメージがしにくい」との声も聞かれる。サステナビリティ開示の意義を改めて確認し、現状の把握を進めながら適用初年度の開示を検討したい。

シナリオ分析に困惑の声も

有報に新設された記載欄「サステナビリティに関する考え方及び取組」は、4つの構成要素(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標及び目標)に基づいて開示する。記載の自由度は高いものの、情報の収集や整理、経営層への説明などを経て開示につなげたい( No.3601・5頁 )。

このうち気候変動対応は、あくまでサステナビリティ開示の一項目。中長期的な経営を考えたとき、サステナビリティ項目に該当しないと判断すれば開示しない選択もあり得る。ただし、国際的に気候変動開示に関する基準(S2基準)を開発中であることを考えると対応は不可避だろう。業種や規模によっては、気候変動に関する「シナリオ分析」が難しいとの声も聞かれる。

あるIT関連事業の中堅上場企業は、気候変動問題が重要な影響を及ぼすとは想定されないとし、前年度の有報でT...