トピックスプラス 株主提案権の制限、会社法改正後の実務は

内容制限は見送り、提案数は10までに
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6月に入り、3月期決算会社の定時株主総会シーズンが到来した。今年の招集通知にも、多様な株主提案が掲載されている。過去には、1人の株主が数十個の議案を提案したケース等が「濫用的行使では」と問題視され、株主提案権を制限する動きにつながった。会社法の改正により、株主提案権はどこまで制限され、改正後の実務はどうなったのか。改正の経緯も含めて、改めて整理した。

取締役報酬個別開示や配当等の提案目立つ

2023年6月開催の定時株主総会招集通知に目を通すと、取締役の選解任、取締役・執行役報酬の個別開示、自社株買い、配当、ESG関連など、様々な株主提案が掲載されている。他方、一部の会社では、「会社を解散すべき」など、下記のような見慣れない提案もあった(※編集部が一部要約)。

・「○○社を解散することとする」

・「取締役は近隣の掃き掃除を行うことを定款に定める」

・「社名に『内部留保第一主義』を入れる」

・「朝夕のあいさつをかならずするなど、『小さな親切運動』の八か条を役員等の精神的向上の為、定款に新設する」

なお、上記の株主提案を受けた会社の取締役会は、これらの提案にすべて反対意見を表明している。

「株主提案権の濫用...