IOSCO のれんに関する課題解決に向け意見募集

“too little, too late”改善へ報告書
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証券監督者国際機構(IOSCO)は6月22日、市中協議文書「のれんに関するコンサルテーション」を公表した。企業結合から生じるのれんの残高が増大していることや減損が適時に認識されないことが金融安定化の妨げになっているとして、市場関係者から参考となる優良事例(good practice)を募る。「too little, too late問題」などの改善に向け、意見を取りまとめた報告書を公表する予定だ。

のれんの残高増加を問題視

IOSCOは世界各国の証券監督当局などから構成される国際機関で、証券監督に関する指針の策定などを行う。会計・監査・開示に関する国際的な課題についても議論しており、このほど市中協議文書「のれんに関するコンサルテーション」を公表した。

IOSCOでは、のれんの会計処理については潜在的な問題があるのではないかと数年来議論してきた。近年だと、2018年に破綻した英国のカリリオン社で、のれんの減損が遅れていたことが問題となった。

今回の市中協議文書では、S&P500におけるのれんの累積残高が、2008年に1兆6,000億米ドルだった額が、2021年には3兆7,000億米ドルへと2倍以...