IASB 「履行義務の識別」の課題など聞く

IFRS第15号PIRで意見募集
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国際会計基準審議会(IASB)は6月29日、情報要請「IFRS第15号『顧客との契約から生じる収益』の適用後レビュー」を公表した。2018年1月から適用が始まったIFRS第15号の適用後レビューのため、5ステップによる収益認識モデルの是非などについて関係者から意見を募る。意見募集は10月27日まで。

複雑なケースにおけるバラつきの懸念も

IFRS第15号は、「収益の認識、測定、開示に関する包括的で強固な枠組み」として開発され、2014年5月に公表。2018年1月から適用されている。

IASBは2022年9月に同基準の適用後レビューに着手し、「フェーズ1」で検討すべき論点などを整理した上で、今回の情報要請を公表。IFRS第15号全体の評価や、「履行義務の識別」などの収益認識固有の論点、他のIFRS会計基準の要求事項との兼ね合いなどを質問している。

フェーズ1の段階でIASBが収集した意見では、IFRS第15号の5ステップによる収益認識モデルは概ね支持されていた。ただ、「複雑なケースにIFRS第15号を適用する場合、企業は重要な判断を下す必要があるが、その結果企業間で一貫性のない結果が生じる可能性...