対話で理解する!リース会計基準(案) 第3回(最終回) 貸手の会計処理/特殊な取引

有限責任 あずさ監査法人 公認会計士 植木 恵

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本連載解説では、リース会計基準(案)の本質をより理解しやすくするため、ポイントを絞り、会計士と経理課長の対話を通じて、3回にわたって説明しています。今回は最終回になります。

なお、文言は公開草案に対してよく聞かれるコメントに基づき構成しております。意見にかかる部分は筆者の個人的な見解であることをお断りしておきます。


リース会計についての公開草案がリリースされ、経理課長のBさんが、公開草案に詳しい会計士のAさんにいろいろと聞いています。今日は貸手の会計処理やその他の特殊な取引について話しているようです。

セール・アンド・リースバックはIFRS会計基準とは別路線

B(経理課長): A(会計士)さん、セール・アンド・リースバック取引にはIFRS会計基準ではなく米国会計基準の考え方が取り入れられたと聞きました。

A:はい、そうです。セール・アンド・リースバック取引の会計処理では①売却が認められるかどうかと、②売却損益が認識できるかが主なポイントです。このうち、主に②売却損益が認識できるか、という点にIFRS会計基準と米国会計基準では考え方の違いがあります。米国会計基準では売却が認められれば売却損益は全額が...