日本会計研究学会「新しい資本主義」テーマに討論

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日本会計研究学会(薄井彰会長)は9月1日から3日にかけて、第82回大会(向山敦夫大会準備委員長)を大阪公立大学にてオンラインで開催した。「『新しい資本主義』と会計研究」を統一論題とし、学者・実務家による報告と討論を行った。

統一論題報告の登壇者と報告テーマは以下の通り。

基調報告

柳良平氏(早稲田大学客員教授):柳モデルと雇用インパクト会計による人的資本の定量化の事例

報告(1)

藤谷涼佑氏(一橋大学講師):四半期開示を巡る議論とディスクロージャー研究の課題

報告(2)

北田皓嗣氏(法政大学准教授):サーキュラーエコノミー情報開示の現状

報告(3)

黄耀偉氏(明海大学講師):女性役員と利益情報の価値関連性

報告(4)

大槻櫻子氏(有限責任あずさ監査法人常務執行理事):「サステナビリティ情報保証」

柳氏は、人件費などの投資がPBR(株価純資産倍率)への遅延浸透効果をもたらす研究を示したほか、雇用インパクトを定量化したエーザイの事例などを紹介した。

統一論題報告で藤谷氏は、四半期開示はどのような状況下であれば強制化されるか、開示コストとの関係性を示しながら整理。北田氏はサーキュラーエコノミー(循環経済)の開示の現状...