ハーフタイム 監査法人とのコミュニケーション

管理会計ラボ 取締役 福原俊

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筆者には、監査法人での監査業務に従事した後、上場会社でスタッフから管理職(経理部長・経営管理室長)まで務めた経験がある。

監査法人時代は、監査をするなかで、例えば前期比較や予算比較を実施し、なぜそのような状況になったのかをクライアントに質問し、それを裏付ける資料の提出を求めていた。ゆえに、監査を受ける側になった場合に、同じようなことを求められるだろうと想像できた。事業会社にとっては、監査をスムーズに行ってもらい、監査報告書をもらうことがゴールである。このため、監査で求められることを先に準備しておくことが重要だ。自分が資料を作るときに、前期比較などを行い、大きな変動がある箇所については理由を調べておくようにすると、監査対応がスムーズになる。この理由などは、他のメンバーと共有しておくことも重要だ。

監査する側とされる側、双方を経験したからこそ思うこともある。

監査法人への相談は、「もっと早めに」ということだ。決算に入ってからの相談だと、決算を締めるのに影響することがある。その場合、相談内容が決着するまで、決算が締まるタイミングが遅くなる。監査法人は会計のプロであるし、監査している会社も多いので、...