暗号資産 はじめの一歩 第2回 ブロックチェーンに関する会計基準や会計処理

 公認会計士・税理士 畠山 謙人

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はじめに

前回( No.3628・32頁 )はブロックチェーンの概要について説明しました。今回はブロックチェーンに支えられる暗号資産(会計基準上の名称が変更されていない関係で、本稿では多分に旧称の「仮想通貨」と混同した文章となっている点、ご了承ください。)における会計基準や会計処理や開示例について、述べたいと思います。

1.暗号資産に関連する法規制の整備状況

2014年のマウントゴックス事件 後、日本において資金決済に関する法律(資金決済法)を軸に法規制が進められました。続けて2017年に資金決済法が改正され、仮想通貨が定義された上で、仮想通貨交換業者に対しては登録制が導入されました。日本公認会計士協会(JICPA)及び企業会計基準委員会(ASBJ)においても、暗号資産について少しずつ会計監査上のルールの整備が進められることとなりました(図表1)。

【図表1】仮想通貨・暗号資産に関する近年の出来事

年度事案2014年マウントゴックス事件(前述)が発生2017年「資金決済法」改正:仮想通貨を定義、登録性、AML/CFT(マネーロンダリング対策とテロ資金供与対策)対応、監査の義務化等JICPA:「暗号資...