新・経理実務最前線!Q&A 監査の現場から 第18回 関連会社の業績悪化に係る会計上の留意点

EY新日本有限責任監査法人 公認会計士 堀川 大介

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連結財務諸表作成会社は連結決算にあたり会計論点を網羅的に把握する必要があるため、率先して子会社や関連会社との連携を図ることが重要となります。ただし、関連会社は子会社と異なり支配関係にはないことから、情報収集のハードルが高くなることがあります。特に、関連会社が業績悪化した場合の会計への影響は多岐にわたるため留意点が多く考えられます。

本稿では、関連会社の業績悪化に係る会計上の留意点に関して、Q&A形式で解説しておりますので、関連会社とのコミュニケーションの一助になれば幸いです。

なお、本稿中の意見にわたる部分は筆者の個人的な見解であり、EY新日本有限責任監査法人の公式見解ではないことを予め申し上げます。

各Q&Aはそれぞれ独立しており、全て関連会社が業績悪化に陥った場合を前提とします。

Q1

連結財務諸表作成会社の単体決算における関連会社株式の評価について会計上の留意点を教えてください。

A1

1.株式の評価

関連会社株式は、他企業への影響力の行使を目的として保有する株式であることから、子会社株式と同様に事実上の事業投資と同様の会計処理を行うことが適当とされています(企業会計基準第10号「金融商品に関す...