[連載対談]キーパーソンに訊く重要テーマ 第8回「公認会計士・監査審査会の役割」
公認会計士・監査審査会 会長 松井 隆幸
青山学院大学大学院 会計プロフェッション研究科 教授 町田 祥弘
Ⅰ.ここが訊きたい
公認会計士・監査審査会(「審査会」)は、金融庁に属する機関であるが、その役割や活動内容は一般にはあまり理解されていないかもしれない。
一般によく知られている役割としては、公認会計士試験の実施が挙げられる。わが国の公認会計士試験は国家試験として実施されており、それを管轄するのが審査会である。
公認会計士試験については、近年、受験者の増加傾向が続いており、本年度は、1,544 人(対前年比 88人増;最終合格率 7.6%)の合格者であった。
しかしながら、公認会計士資格に対する需要の高さの一方で、年2回の短答式試験の実施とその合格者による論文式試験の実施については、出題や採点を担う試験委員の体制等に大きな負担があるといわれている。加えて、今後サステナビリティ情報の開示が本格化し、それに対する保証も含めて制度化された際に、公認会計士試験はそれにどう対応するのかという問題もある。
また、公認会計士試験と並ぶ難関の国家試験である司法試験において、令和8年(2026年)からコンピュータ使用型試験(Computer Based Testing: CBT)を導入するとされている。すでにアメリ...
- 経営財務データベースで続きを読む
-
無料 2週間のお試しはこちら
すぐに使えるIDをメールでお送りします