ミニファイル 気候変動リスクの自然的・社会的側面

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2024年1月1日、ISSBの最初の基準であるIFRS-S1号とS2号が発効日を迎えた。日本ではそれらに相当する「日本版」基準策定に向けた議論をしており、現状ではIFRS-S1号とS2号の適用が義務付けられてはいない。ただ、ISSB基準が「最低限のライン」としての性格を持つため、基準の内容を理解しておくことは実務の参考になるだろう。

そうした中、ISSBが2023年12月にIFRS-S2号の適用に関する教育文書を公表した。気候変動のリスクと機会について「自然的側面」と「社会的側面」(nature and social aspects)の検討が求められるが、それを事例を挙げて説明している。なお、「...