トピックスプラス ローン契約・社債、財務上の特約の開示を強化

「重要な契約」の開示内容②
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2023年12月に公布された改正開示府令は「重要な契約」の開示内容などを規定している。前回は改正の全体像とガバナンス・株主保有株式に関する契約について確認した( No.3640・4頁 )。今回はローン契約・社債に付される財務上の特約の開示について整理する。残高が「連結純資産額の10%以上」の場合に、開示が要求されることになる。

締結や変更時に臨時報告書で開示

ローン(金銭消費貸借)契約と社債に付される財務上の特約(コベナンツ)の開示は、現状、有価証券報告書の追加情報での記載が求められており、ローン契約やシンジケートローン契約の締結時に、純資産維持や利益維持といった特約が開示される例がある。

改正開示府令により、特に重要性が高いと見込まれる財務上の特約については、臨時報告書の提出が必要になる。仮に特約に抵触すれば他の債権者のキャッシュ・フローに影響を与え、経営陣の裁量も制限されるため、臨時報告書での開示の重要性が高いとされた(コメントNo.56)。

有報提出会社(または連結子会社)が財務上の特約の付されたローン契約を締結、または社債を発行した場合で(既に締結している契約や発行している社債に新たに特約...