ハーフタイム 株価上昇の理由は「経営効率」と「安全・信頼」の両立
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今年は元旦早々地震に見舞われたが、株式市場の平均株価は33年ぶりに高値を更新した。“失われた30年“を取り戻す明るいニュースだが、全体のPBR(株価純資産倍率)は1.4倍であり、1倍割れ企業が半数を占めている。
東証は昨年3月から対策に乗り出し、今年1月から「資本コストや株価を意識した企業の取組み一覧表」を開示して、3倍を超える米国企業に追いつくよう更なるプレッシャーをかけている。それは世界の株式市場が羨ましがるほど画期的取組みだが、PBR改善策には留意すべき点がある。長期投資を目的とする株主にとっても、企業の実態を良くみて投資して貰うには、収益構造と財務構造の両方について、経営効率だけでなく安全性と信頼性のある企業であることを適切に開示しなければならない。
留意したい第1点は、調達すべきは“銀行借入金か株主出資金か”である。株主配当の財源は税引き後の可処分利益だが、支払利息には税制上の恩典があり発生時に損金処理が認められる。適切に節税すれば自己資本を効率良く充実させることができる。
第2点は「自社株買い」も株主還元の上積み策として容認されていること。容認賛成派の学者は、わが国上場企業の自社...
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