<IFRS COLUMN>暖簾に腕押し 第105回 概念フレームワーク(21)
国際会計基準審議会(IASB)前理事 鶯地 隆継
ドジャースの企業価値
ロサンゼルスに拠点を置くアメリカのプロ野球メジャーリーグ(MLB)球団のドジャースが、この冬の日本の話題の中心になった。説明は不要であるが、大谷翔平選手がエンジェルスからドジャースに移籍したことにくわえて、日本でNo.1と評価されているオリックスの山本由伸投手もドジャースへの入団を決めたからだ。そして、この話題は日本のテレビのチャンネルを独占してしまった。
この二人の移籍がこれだけ話題になった理由は、二人の年俸が非常に高額であったということが大きい。大谷翔平選手の場合は10年契約で、総額7億ドル(1,015億円)、山本由伸投手の場合は12年契約で3億2,500万ドル(463億円:為替レートはいずれも契約時点のもの)という途方もない金額だったからだ。それだけ日本人選手の評価が高いということの証なので、素晴らしいことではあるが、会計に携わる人間の性として、こんな高額な年俸を支払うドジャースという球団の財務諸表はどうなっているのだろうかと心配になる。
残念ながら、ドジャースは非公開の球団なので詳しい財務諸表は公開されていないようだ。もしかすると入手できるのかもしれないが、筆者...
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