IASB 「経営者による説明」PJの方向性を検討

近く最終決定へ
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国際会計基準審議会(IASB)は、2017年からIFRS実務記述書第1号「経営者による説明」の改訂に関するプロジェクトを継続している。3月のボード会議では、スタッフがプロジェクトについて「最終化」「中止」「範囲の拡大」「保留」の4つの選択肢を提示し、各ボードメンバーが意見を述べた。最終的な方向性は6月に決定する予定だ。

ISSBの活動を受け審議再開

2010年公表のIFRS実務記述書第1号は、財務諸表で報告される企業の財務実績や財務状態に影響を与えた要因や、企業の見通しに影響を与える可能性のある要因に関する経営者による説明(マネジメント・コメンタリー)について記述したもの。財務諸表を補完するものと位置付けられており、日本の有価証券報告書では「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(MD&A)に相当する。「実務記述書」という文書名が示す通り基準ではないため、拘束力は持たない。

公表後、同実務記述書に対して投資家などから「企業固有の情報が不十分」「比較可能性が低い」といった声が寄せられたことを受け、IASBは2017年から改訂プロジェクトに着手。2021年に改訂に関す...